現在、自費出版(セルフパブリッシング)の書籍は、電子書籍の総売上の30%から40%を占めています。そして、電子書籍は、世界市場で販売される書籍全体の約40%を占めており、2023年には米国市場で紙の書籍を上回ることが予想されています。こうした市場の変化は、電子書籍を好んで利用する自費出版派のライターにとってはまさに朗報ですよね。電子書籍がより多くの人々に受け入れられ、今後も堅調な収益増加が見込まれる中、顧客は実店舗の書店からAmazonなどのオンラインブックショップにどんどんシフトしており、いずれは自費出版のライターは従来の出版社から出すライターと同じ土俵に立つことになるでしょう。

もし、あなた自身が自費出版をするか、従来の方法で出版するかを決めかねているのなら、それぞれのメリットとデメリットを一度よく考えてみましょう。そこで今回は、自費出版にしようと決めた作家さんに向けて、フリーライターに支持されている出版会社を紹介していきます。以下の会社の自費出版サービスには、原稿を出版可能な形式に変換することと、セールスプラットフォームに掲載することが基本的に含まれています。では早速、見ていきましょう!

1.Kindleダイレクト・パブリッシング

Amazonが所有するKindleダイレクト・パブリッシングでは、Kindle専用デバイスやKindleアプリをインストールしたデバイスで読むことができる電子書籍を制作・販売しています。個人で活動しているフリーライターであれば、この出版社を無視してはいけません。ご存知のとおり、Amazonは英語版電子書籍の総売上80%以上を占めている大手であり、そのうち42%の作品は自費出版のものだそうです。

2.MakeSpace

MakeSpaceもまた、Amazonの印刷書籍出版プラットフォームで、在庫をかかえず、顧客からの注文があってから本を作るプリントオンデマンド出版を採用しています。作家自身がAmazonのExpanded Distributionプログラムを選択しない限りは、MakeSpaceで制作された書籍はAmazonでのみ販売されませんが、同プログラムを利用すれば、Barnes & Nobleなどのオンラインショップおよび実店舗、IngramやBaker&Taylorなどのディストリビューターに自分の書籍を提供することができます。ディストリビューターのカタログに追加された作品は、販売ネットワークである小売店、図書館、学術機関の注文システムに登録・表示され、顧客がこれらのプラットフォームでリクエストを送信すれば、いつでも注文することが可能になります。

3.Apple Books

Apple社のApple Booksは、Amazonに次ぐ電子書籍ショップであり、上位5ヵ国において売上総額の10%を占めています。Apple Booksは現在、世界40ヵ国以上に展開しているので、作家はそれぞれの国・地域ごとに類似した書籍の価格設定に基づき異なる価格を設定したり、現地の通貨で価格を設定したりすることができるなど、Apple Booksならではの利点があります。さらに、作家は無料オファーや割引セールをいつでも開始することができ、独占的な義務もありません。

4.Kobo

アナグラムで「本」を意味するKoboは、英語圏の上位5ヵ国におけるデジタル書籍販売全体の2%程度しか占めていませんが、カナダでは電子書籍総売上の25%を占めるほどの大企業となっています。Kindleと同様に、電子書籍デバイスとその他のモバイル端末からアクセスできるブックアプリを提供しており、現在、190ヵ国以上のユーザーがKoboで出版された電子書籍にアクセスすることができます。また、American Booksellers Associationと共同でKobo eReadingプログラムを運営しており、加盟店はKoboの500万冊以上の作品を消費者に提供する権利が得られます。さらには、電子書籍ショップとのグローバルなコラボレーションも積極的に行っているので、今後の活躍にも期待したいところですね。